主婦の借金相談が現在急増しています。
専業主婦は一見、借金から縁遠そうに見えますが、実は、家計を管理している専業主婦の方が借金を抱えやすい傾向にあります。
生活費が足りないと夫に話して、「お前のやりくりが悪いからだ」と責められるケースも少なくありません。このような喧嘩になるのを避けるため、足りない分を借金で補う人も多くみられます。
借りた後は「借金がバレたら夫から離婚されてしまうかも…」と考え、夫に話せない方もいるでしょう。
このような状況が続くと、嘘をついていることも心苦しく、どんどん追い詰められていきます。
そこでこの記事では、 専業主婦の借金の原因と対策、夫に内緒で解決する方法を解説していきます。相談先も紹介していますので、参考にしてみてください。
専業主婦の借金、よくある原因とは?
まずは、自分の状況を客観的に把握するために、専業主婦の借金が増える原因を確認しておきましょう。あなたはどのタイプに当てはまりますか?
足りない生活費の補填
専業主婦の借金の理由で最も多いのが、生活費の補填です。
贅沢をしているわけでもなく、節約もしている。
なのに、毎月生活費が足りない。
こういうことってありますよね。
「お前に家計の管理を任せた。」と言われている人が、借金を抱えやすい傾向にあります。生活費が足りないと夫に言えず自分でなんとかしようとクレジットカードやキャッシングに手を出してしまいます。
「お金が足りないのは自分のやりくりが下手だから」など、夫がモラハラ気質だと余計に何もいえなくなります。
家計の管理に責任を感じたり、夫におこられたりするのが嫌で、借金を少しづつ増やしてしまうのです。
子供の教育費や育児費
最近は少子化の影響から様々な習い事が増えています。
また、子供の一人あたりの育児にかける費用も増えてきました。
「子供の可能性に期待して、習い事や様々な経験をさせてあげたい」
「他のお友達と一緒に夏期講習に参加させたい」
「部活の遠征費をなんとかしなきゃ」
このように、子供のために一時的に借りるつもりが、返せないまま借金がたまってしまうこともよくある話です。
育児に協力的でない夫だと、相談してもいい答えは返ってきません。
「この子のために」
そう思う親心から、借金を重ねてしまうのです。
子供に教育費やお金がかかることを夫が理解してくれません。結局自分でなんとかしなければならないと思い、フルタイムの仕事をしながら、副業も始めました。
誘惑に甘く浪費しがち
結婚前から浪費グセのある人は、そもそも家計の管理が苦手です。
お金に対し楽観的に考える癖があり、欲しいものがあれば「なんとかなるだろう」とどんぶり勘定でカードを切ってしまうこともしばしば。
その場の雰囲気に流されやすく、店員から勧められると必要のないものでも買ってしまい、後から後悔することもあるのでないでしょうか。
とはいえ、浪費癖は自分自身で意識しなければなかなか直りません。
ママ友付き合いから見栄をはる
一時期、取りざたされた「ママ友カースト」という言葉。
私立幼稚園や住んでいる地域・マンションなどで独特のカースト制度があり、お付き合いが大変なことも多いですよね。
裕福なママ友に合わせようと身なりや持ち物に見栄を張ってしまうこともあるでしょう。
月に何度もあるランチ会や週末のお出かけ。
ママグループから抜けるのが怖くて、借金をしてまで付き合い続ける人も少なくありません。
誘いを断り続けると子供に影響を及ぼしかねないほど、ママ友付き合いが密になっている学校も多いのです。
私の娘が通う幼稚園でもママ会が頻繁にありました。ブランドバッグは当たり前。バック置き場に並ぶ高いバックの横にノーブランドのバッグを置くのが恥ずかしい…という思いから、私もブランドバッグを買ったことがあります。
その後支払いに追われ働くことに。
結局、ママ友付き合い自体をやめてしまいました。
ギャンブル
子育てや夫婦関係のストレスからギャンブルにはまる主婦も増えています。
夫に黙ってパチンコや競馬にハマった結果、ヤミ金に手を出してしまう人も。
ギャンブル依存になれば、借金の罪悪感とギャンブルがやめられない現状から逃げたくて、アルコール依存症も併発するなど深刻化しやすい問題です。
最初は気分転換に始めたスロット。1,000円入れたら、その日8万円勝ってしまって、それから気がついたらハマってしまいました。負けた分が惜しいので、取り戻してからやめると思いながらやめられず、2年経ちました。
情報商材や投資詐欺
ここ最近、急増しているのが専業主婦を狙った「情報商材や投資詐欺」です。
主婦の起業ブームから「自宅で稼ぐ方法」を模索する人が多く、SNSやネット広告に騙されるケースが増えているのです。
- 自宅で簡単に稼ぐ方法を教えてもらうために高額な商材を購入する
- 投資をうたったセミナーで実体のないものにお金を振り込んでしまう
- オンラインサロンに入会し高額バックエンド商品を買う
どれも少しでも家計の足しになればと願う主婦の心につけ込む悪質なものです。
しかし、被害にあっても「簡単に儲けようとした自分が悪い」と自分を責め、夫に怒られるのが怖くて誰にも相談できずに抱え込んでしまいます。
FXや仮想通貨で大損してしまった
仮想通貨で億を稼いだ主婦が話題になりました。
しかし、仮想通貨バブルがはじけた現在、大損して多くの借金を抱えてしまった主婦も多いです。
FXで負債を取りもどそうとして、さらに借金を重ねてしまったケースもあります。
FXやバイナリーオプションは知識と経験がないとギャンブルと一緒。
素人が儲けようと手を出しても、簡単に勝てるものではありません。
専業主婦が借金地獄に落ちやすいワケ

様々な理由から借金を重ねてしまう専業主婦。
借金地獄に陥りやすいワケも深掘りしていきましょう。
❶夫の収入だけで生活
専業主婦は夫の収入で生活をします。
借金をしても返済は夫の給料が頼り。
夫が減収したり失業した場合、たちまち借金の返済が滞ってしまいます。
それどころか、減収しても生活レベルが落とせず、借金で生活をまかない続けるというケースも多く見られます。
❷夫と本音で話し合いができない
夫婦できちんと家計の収支を話し合う夫婦は、隠れて借金をする必要がありません。
しかし、
- 生活費が足りない
- 習い事をさせたい
- 部活の遠征費用が…
このような家族として必要な話し合いも、夫に遠慮して言い出せないこともよくあることです。
減収したり、子供の成長で教育費がかかってきても
- 家計が苦しいから小遣いを減らしてもいい?
- 給料が下がったから節約してくれない?
とはなかなか言えない夫婦関係だとしたら…話し合うより自分でなんとかしようと
クレジットカードやキャッシングを使ってしまいます。
❸夫に内緒で借金してしまう
家計の苦しさを夫にわかってもらえない妻は、「内緒で借金する」という行動をとりがちです。
- リボ払いにして少しづつ返せばバレない
- ボーナスが出たら一気に返そう
- このくらいなら節約して返せそうだ
このように頭で計算して借金をするのですが、現実はそう簡単にはいきません。
残額が積み上がり利息が増えると、返しても返しても元金が減らない状況に陥ってしまいます。
黙って借金をしたことが夫にばれたら離婚されてしまう。
頭の中は借金のことで埋め尽くされ焦りだけが募ります。
❹借金を借金で返す自転車操業
夫に黙って借りた借金なので、支払いが苦しくなっても相談できません。
バレないように、借金で借金を返す生活を続け、見る見るうちに残額が増えてしまいます。
もはや自転車操業。
A社の借金をB社で借りて返し、A社ですぐにキャッシングして、C社に返す。
C社でキャッシングしてB社に返す。
元金が減っていないことまで考えられず、夫にばれないようにするのが精一杯です。
専業主婦が借金する先
2010年6月に貸金業法が改正され、多重債務者の増加や過剰融資を防止することを目的に
「総量規制」が施行されました。
個人がお金を借りる場合、年収の3分の1を超えての借り入れができないという法律で
お金を借りる場合、収入証明が必要になるなど、審査も厳しくなっています。
この総量規制によって、収入のない専業主婦がお金を借りられる場所が限られるようになりました。
主婦の借金先で最も多いのが、
- クレジットカードのショッピングリボ
- クレジットカードのキャッシング
- 友達や親戚
- ヤミ金
この4つです。
①クレジットカードのショッピングリボ・キャッシング
主婦の借入先の代表格がクレジットカードです。
妻に家計の管理を任せてる夫は、カード明細を細かくチェックしません。
しかも、妻が独身時代に作ったカードをそのまま使い続けているケースでは、夫はそのカードの存在すら気づいていないことも。
クレジットカードについているキャッシングは、コンビニATMから簡単に借り入れできるので、家計の足しに軽い気持ちで利用してしまいます。
友達や親戚に借りている
消費者金融で融資の審査がおりない専業主婦は、小さな金額をちょこちょこと友人や知人に借りているケースも見られます。
どんなに仲が良くても、お金の問題はシビア。
返済してもらえない友人が家に乗り込んできて借金が発覚するなど
泥沼の展開に発展することもあります。
ヤミ金に借りる
最近のヤミ金は、一見ヤミ金だとわからないように綺麗なチラシやHPで勧誘しています。
主婦をターゲットにするヤミ金は、主婦の信頼を得るため、巧みな罠をしかけていることが多く、返済が滞り始めてからようやく本来の姿を表すケースが増えています。
ヤミ金が提示する金利は法外で、1度借りたら完済は難しい状態。
絶対に借りてはいけない場所だとわかっているのに、専業主婦にすぐに現金を用意する場所はなく、今でも多くの人がヤミ金を頼ってしまいます。
専業主婦が借金を解決する方法は?
専業主婦が借金を返済するために必要なことは、
以下の3つになります。
- 家計を見直す
- 収入を得る
- 債務整理する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
❶家計を見直す
まず第一に1ヶ月の収支のバランスを確認しましょう。
収入と支出を細かく書き出していき、いくら赤字なのかチェックします。
家賃や保険・ローンや小遣いなど、毎月決まった金額で発生する支出は「固定費」。
食費や日用品・医療費・光熱費など毎月変動するものは「流動費」として分けて
どこか削れるものはないかを確認します。
特に毎月きまってお金が出て行く固定費を削ることができれば、その分を借金の返済に回せます。
- 保険の見直し
- 携帯電話の基本料金プランの変更
- 旦那の小遣い
など、今一度削れそうな部分を探してみてください。
また、流動費は節約を心がけ、できるだけ出て行くお金を少なく余ったお金を借金の返済に回します。
ただし、流動費の節約は、あまり無理をするとそれがかえってストレスになり続きません。
そのストレスから買い物や外食が増えることも考えられますので、まずは長い目で考え固定費から削っていきましょう。
❷収入を得る
もしこのまま夫に内緒で借金返済を続けていくならば、自分の収入を得ることも考えましょう。
パートやアルバイトを始めても、夫があなたの収入に無頓着な場合は借金完済も夢ではありません。
暇な時間もなくなるため、お金を使う機会も減りますし、ママ友との付き合いも「仕事だから」で断れます。
- 正社員や派遣でフルタイムで働く
- パートやアルバイト
- 内職
- 在宅ワーク(ライター・イラストを描く)
など、子供が小さくて預け先がない場合は、自宅で収入を得る方法もあります。
❸債務整理する
借金額が大きくなり、利息だけ何とか支払っている状況なら、債務整理を検討しましょう。
債務整理は、国が「借金の減額や整理方法を用意しているので
しっかり手続きして、早く生活を立て直しましょう」と用意した政策の1つです。
債務整理=自己破産
というイメージが強いですが、必ずしもそうではありません。
債務整理には自己破産のほか、
- 任意整理
- 個人再生
など、破産以外の方法も用意されています。
債務整理と聞くと「借りたものを返さないのは悪い」と二の足を踏む方がいます。
しかし、返さないのではなく、返せないのです。
返したくても返せないのですから、仕方がありません。
債務整理は合法的に借金を減らせる方法で、国が用意した国民への救済措置です。
支払いで生活が困窮してしまった人を助けるために、国が成立させた法律なので、助けてもらいましょう。
債務整理は単に借金をなくすことが目的ではありません。
借金苦の生活から抜け出すために返済のメドをつけたり、完済するためのプランを立て直すのための手段です。
夫に内緒で債務整理するポイント

夫に内緒で債務整理できるか心配だと思いますが、結論から言えば、できます!
しかし、夫にバレずに手続きするには、いくつか気をつけるポイントがありますので
チェックしておきましょう。
自己破産はバレる可能性がある
債務整理の中でも、自己破産は裁判所を介して行う手続きで、財産を処分したり、夫の給与明細や源泉徴収票を提出する必要があります。
書類を内緒で用意できれば問題は1つクリアですが、他にもローン中の車をどうするか、ローン会社に引き上げられる場合、夫にどういう説明をするか…など、とにかく細かい言い訳を考える必要があります。
夫にバレずに自己破産することは絶対に無理ではありませんが、バレる可能性が高い手続きです。
任意整理なら夫にばれない
任意整理は、裁判所を介さず債権者と直接交渉するため、誰にもバレずに手続きできます。
夫にバレることなく
- 利息をカットして借金総額を減額
- 月の支払い額を減らす
- 遅延損害金のカット
- 支払い期間の延長
などが可能です。
自己破産や個人再生では、すべての債権者に通知を行い整理する必要がありますが、任意整理では特定の債権者とだけ交渉することができます。
例えば、借金先が、3つあるとします。
- クレジットA社
- キャッシングローンB社
- オートローンC社
自己破産では、3社全てに通知し交渉を行わないといけません。しかし、任意整理では、❶のクレジット会社だけ交渉をして支払額の減額や期間の延長を交渉することができます。
財産を処分する必要もなく、車もローンを支払い続けることで手元に残せます。
債務整理は弁護士か司法書士に依頼する
借金に困ったら、まずは弁護士か司法書士に相談しましょう。
借金の内容や状況に合わせた最適な解決方法を提案してもらえます。
債務整理を弁護士や司法書士に依頼するメリット
弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、金融業者に「受任通知」が送付されます。
業者は、受任通知を受け取ると貸金業法により、債務者へ取り立てや催促をすることができなくなります。
債務整理の方法を決める前に、取り急ぎ受任通知を送付してもらい、
取り立てを止めることで、夫に借金の存在がバレにくくなります。
また、債務整理には複雑な手続きが必要ですが、
弁護士や司法書士に依頼するとそれらを全て任せられるので楽です。
債務整理に得意な弁護士を選べば、
長期分割や延滞遅延金・利息カットなどの交渉もスムーズに進みます。
借金は弁護士・司法書士に相談するだけでも意味がある
返済のことばかり考えていると、視野が狭くなり悲観的になりがちです。
借金が増えてもうどうしようもないです。自己破産しかないと思うけど旦那にバレたら離婚されそうで債務整理なんてできません。
「もう自己破産しかないかもしれない」
そんな風に追い詰められていても、実際に弁護士や司法書士に相談したら、自己破産せずに解決するケースも多いです。
まずは、自分で判断せず専門家の意見を聞いてみましょう。
と言っても、いきなり弁護士に相談するのは、ハードルが高いですよね。
最近ではネットから無料で借金の減額相談を受け付ける弁護士事務所もたくさんあります。
「返済できない」と一人で悩まず、無料相談で自分の借金がどのくらい減額するか確認してみましょう。
まとめ
専業主婦は借金とは無縁の生活に思われがちですが、借金を抱えているのはあなただけではありません。
夫の収入に左右され、いつも家計のやりくりを考え、自由になるお金も少ないため、借金地獄に陥りやすいのです。
しかも、どう考えても無理な家計の収支を妻にだけ任せっぱなしにするのは夫の怠慢ですし甘えです。
夫にも責任があるんです。
どうか、一人で悩まないでください。自分を責めないでください。
解決しない借金問題はありません。
もう、返済ができないと思ったらそうなる前の段階で早めに弁護士や司法書士に相談しましょう。
弁護士や司法書士には守秘義務があるため、周囲に絶対にバレたりしません。
ただ、近所の弁護士だと事務所に出入りするところを見られる場合もあります。
田舎は特に噂が広まりやすいため注意してください。
確実にバレるのを防ぎたいなら、地域の弁護士・司法書士ではなく全国対応している事務所へ相談しましょう。