「自己破産した彼(彼女)と結婚するか悩む…」
「自己破産した人と結婚すると、どんなデメリットがあるか不安」
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
彼(彼女)のことは好きだけど、自己破産という重い事実を抱えきれるのか、結婚したら自分もブラックになるのではないかと不安に思う方もいるでしょう。
まず自己破産したあとすぐに結婚した私が断言します。
自己破産した人と結婚しても、あなたの信用情報には影響ありません。ただ、やはりデメリットがありますので、事前に把握しておいたほうがいいでしょう。また、対処法なども解説していますので、悩んでいる方は参考にしてください。
自己破産した人と結婚!で勘違いされがちなこと
自己破産した人と結婚すると、「自分も金融ブラックになるのでは?」「子供もクレジットカードが作れない?」「将来、奨学金の審査が通らないのでは?」といった不安を抱える方も少なくありません。
冒頭でもお伝えしたとおり、自己破産しても、結婚相手の信用情報に傷がつく心配は一切無用です。信用情報は、その人個人のものです。
結婚相手、夫婦とはいえ、別々の評価となるため、破産していない人には影響がないのです。
子供がカードを作れなくなる心配は?
安心してください、親が自己破産しても子供の信用情報に影響はありません。また、これから結婚する場合、子供がクレジットカードを作る頃には、ブラックから抜けています。
自己破産でペナルティを受ける期間(ブラック)は約10年です。子供が10歳を過ぎる頃には、信用情報がまっさらになり、クレジットカードを作れるようになるでしょう。
債権者から借金を取り立てられる恐れはある?
自己破産した人と結婚すると、借金の取り立てが自分のところに来るのではないかと心配する方もいるのでは?
しかし、あなたが連帯保証人になっている場合でもない限り、債権者が請求することはできません。消費者金融などが、支払い義務のない人に支払い請求することは貸金業法21条の「取り立て規制」で禁止されています。
クレジットカードの債務に関しても、支払い義務のない人に請求することは割賦販売法で禁止されているのです。
法律で守られているため、あなたに請求が来ることはないでしょう。
それでももし万が一請求されたら、警察に刑事告訴したり監督官庁に苦情を申し立てたりするといいでしょう。
自己破産した人と結婚すると生じるリスク
結婚は自己破産で制限されるものではないため、破産しても結婚できます。ただ、皆さんが心配されているのは、その後の生活ですよね。
自己破産した人と結婚すると生じるリスクは、以下の4つです。
- ローン・クレジットカード審査に通らない
- 保証人になれない
- 免責が下りるまで一時的に仕事ができなくなる
- 自己破産で財産が処分されている
それぞれ詳しく解説していきます。
①ローン・クレジットカード審査に通らない
先述したように、自己破産をすると信用情報にその事実が記録され約10年間保持されます。この間は、金融ブラックと呼ばれる状態なので、新たなローン審査やクレジットカード審査に通りません。
ですから、あなたの結婚相手は、クレジットカードで買い物したり、ローンで車や家を買ったりすることができないのです。
もしマイホームや車が欲しい場合、現金一括か、破産していないほうの名義で買うしかありません。夫婦合算のペアローンも無理です。
また、賃貸の審査でも、保証会社が信販系の場合は、審査に通らないため破産していない人が申し込みする必要があります。
②保証人になれない
自己破産をすると、連帯保証人などになるのが難しくなります。
厳密にいえば、破産者が保証人になることは法律で禁止されているわけでもないため、可能です。しかし、賃貸でもローンでも保証人は審査対象となりますので、ブラック状態では「弁済能力が低い」と判断され、審査に落ちやすくなるのです。
親戚や親がお金を借りる際の保証人になることは難しいので、デメリットの1つといえます。ただ、連帯保証人はその債務の責任を全面的に負うことになるため、そもそもおすすめできません。
大きな借金を背負わされる心配もありますから、自己破産を理由に保証人を断ることができるのは、メリットとも言えます。
③免責が下りるまで一時的に仕事ができなくなる
自己破産は、破産申請して裁判所から返済能力がないと認められたら(免責が下りること)、ようやく借金から解放されます。
その間、以下のような職業の人は一時的にその仕事に就けません。
弁護士・公認会計士・税理士・弁理士・公証人・司法書士・行政書士・人事院の人事官・国家公安委員会委員・不動産鑑定士・宅地建物取引業者・社会保険労務士・質屋・古物商・生命保険募集員・警備業者及び警備員・風俗営業者及び管理者など。
ただ、免責が下りれば全て解消されますので、通常の生活に戻ります。
④自己破産で財産が処分されている
自己破産は、財産を債権者への弁済に充てるため高価なものや99万円以上の現金は処分されてしまいます。
そのため、結婚する相手が自己破産している場合、貯金などは期待できませんし財産も持っていないでしょう。そもそもそのようなものがない人なら大きなデメリットになりませんが、会社経営者などで羽振りがよかった場合は、経済的な影響を感じるかもしれません。
ただ、自己破産せずに借金を抱えたまま結婚するよりは、ポジティブです。結婚生活で何年も借金を返す生活ではないため、新しいスタートを切るつもりで結婚すれば問題ないでしょう。
ちなみにもし財産がなくなったことが理由で、振られてしまったら、結婚する前に本性がわかってよかったと考えるべきです。
自己破産して名字が変わればクレジットカードを作れるというのは嘘
巷では、「結婚して名字が変われば、自己破産しても審査に通る」といった噂があります。しかしこれは嘘です。
名字がわかっても、運転免許証、保険証などの提出でバレます。運転免許証は番号で管理されているので、意味がありません。
私も実は名前が変わったから審査に通るかも…と思って、携帯電話の割賦審査に申し込んだことがありますが、瞬殺しました。
自己破産して名字が変わっても、信用情報がまっさらになるわけではないため、ブラックが明けるまで待ちましょう。
自己破産した私が結婚してどんなデメリットがあった?
実際に自己破産した後、結婚した私ですが、大黒柱は彼だったため、あまり影響はありませんでした。
若干困ったと言えば、やはり、彼の保証人になれなかったことです。例えば、車や家など大きな買い物では、私の収入を合算したペアローンが組めなかったので、借りる金額も少なくなりました。
しかし、離婚した今となってはそれでよかったと思っています。
もしペアローンを組んでいたら、離婚するとき非常に面倒だったからです。幸い、自己破産のおかげで無理なペアローンを組むことがなかったので、すんなり別れられました。
結論、ローンやカードの審査以外、自己破産して結婚することに、大きな影響はありません。
まとめ
本記事で解説したように、自己破産した人と結婚しても、破産していない人に影響はありません。
借金を背負う必要もなく、請求される心配もないでしょう。
ただ、ローン審査の影響はありますので、結婚して家をすぐに買いたい…と考える方は、破産していない人の名義で申し込む必要があります。
新たなローンが組めないことはデメリットではありますが、堅実な生活をするにはもってこいの環境です。しかも、10年ほどでローンが組めるようになりますので、一時的なことです。このようなデメリットを理解した上で、夫婦で協力して生きていくことを考えましょう。